女性に嬉しい成分がたくさん含まれていて、美容と健康に良いイチジク。
そんなイチジクは漢字で「無花果」と書きます。
どういう由来なのか気になりますよね。
そこでイチジクの漢字表記の由来を調べてみました!
イチジクは漢字で「無花果」と書く!
イチジクは漢字で「無花果」と書きます。
難読漢字クイズなどでたまに出題されるので、漢字に詳しい人なら知っているかと思います。
ですがこの由来まで知っているでしょうか?
「花が無い果実」と書くように、イチジクには本当に花がないのでしょうか?
実は、ちゃんと花はあります。
ただ普通の植物と違って果実の中で花を咲かせます。
普通の植物は受粉すると花が枯れて、花の根元の「がく」の部分が大きくなって果実や種になります。
しかしイチジクは果実の中で花を咲かせるのです。
そのため、せっかく花が咲いても外からは花が見えません。
なので「花が無い果実」と言われるようになったのです。
イチジクの由来は?
イチジクは元は中国から伝来した果物です。
そのため、昔は「唐柿」(とうがき)と呼ばれていました。
「唐(昔の中国)から伝来した柿のような果物」という扱いだったのですね。
しかし似ているのは葉っぱの形くらいで、生態は全然似ていません。
イチジクはクワ科イチジク目の植物ですが、柿はカキノキ科の植物です。
果樹という共通点しかないくらい系統的には離れた植物なんです。
その唐柿がなぜイチジクという呼び方に変わったかというと、
上記の通り、「実際に育ててみたけど全然柿じゃない」と気付いて柿のようなもの扱いすることをやめたからです。
そして、一晩で1つの果実が熟すくらい成熟が早いことにちなんで「一熟」(いちじゅく)、
そこからイチジクという名前に変わりました。
ちなみに漢方薬として使われる時は、
「無花果」と書いてイチジクではなく、そのまま「むかか」と読むのだそうです。
「無花果」以外にも「映日果」とも書く!
イチジクは「無花果」以外にも漢字での表記があります。
それは「映日果」です。
こちらは「いちじく」ではなく「えいじつか」と読みます。
イチジクの原産は中国ではなくイラン(ペルシャ)です。
イランから中国、中国から日本へと伝来してきたわけです。
当時のペルシャではイチジクのことを「アンジール」と呼んでいました。
ちなみに現在のペルシャ語でもイチジクは「アンジール」です。
このアンジールは中国語で表記される時に「映日」と訳されたため、
中国から日本へと伝来する時に「映日の果実」ということで「映日果」というようになりました。
「九」はイチジクの漢字表記ではない!
イチジクの漢字を調べてみると、「九」とかいて「いちじく」と読むものがあります。
こちらは姓や名に使われていた当て字で、果物のイチジクとは関係のないものです。
ちなみになんで「九」と書いて「いちじく」なのかというと、「一字九(いちじ、く)」だからだそうです。
中国語ではどう書く?
同じ漢字圏である中国語ではどう書くのかというと、
日本語と同じで、「無花果」です。
簡体字では字体が異なるので、「无花果」となります。
「映日果」の由来となった「映日(アンジール)」という呼び方はもうしていないのです。
中国から日本へと伝来する頃は確かに「映日」と呼んでいたのですが、
日本で「無花果」という表記が使われるようになったことで、中国でもそう呼ばれるようになったのだそうです。
呼び方を逆輸入したなんて、面白いですね。
まとめ
- イチジクは漢字で「無花果」と書く
- イチジクは果実の中で花を咲かせるので、外側から花が見えないのが由来
- 他にもペルシャ語を由来として「映日果」(えいじつか)とも呼ぶ
- 中国語でも同様に「無花果」、簡体字だと「无花果」