山形県の佐藤錦に代表されるピンクのさくらんぼか輸入物のアメリカンチェリーか、
皆さんはどちらが好きですか?
そんなさくらんぼですが、漢字でどう書くのでしょう?
また、「さくらんぼ」の言葉の由来も気になりますよね。
調べてみました!
さくらんぼの名前の由来は?
「さくらんぼ」とキーボードで打ち込んで変換キーを押すと、「桜ん坊」と出てきます。
そもそもさくらんぼとは、桜の果実のことを指していました。
桜の果実(子供)なので、「桜ん坊」といいます。
学校や街路樹に植えてある桜の木の果実は野鳥が食べてしまうのであまり見ることはないですが、
ソメイヨシノなどの桜の木も桜が散った後に見てみるとさくらんぼのような果実をつけています。
見た目はさくらんぼそのままだったので、子供の頃食べて見たことがありますがめちゃくちゃ渋かったです……。
そんな桜の果実こと桜ん坊ですが、渋いので食べられません。
なので見向きもされなかったのですが、
いつしかフルーツとして食べられるように品種改良がされました。
そうしてフルーツとしての桜ん坊が食べられるようになったことで、
さくらんぼの存在は一気に広まり、
いつの間にか桜ん坊から「う」が脱落し「さくらんぼ」となりました。
さくらんぼは漢字で「桜桃」と書く!
そんなさくらんぼは漢字でどう書くのでしょうか?
さくらんぼと入力して変換キーを押してみるとわかるように、
さくらんぼは漢字で「桜桃」と書きます。
これはさくらんぼとして食べられる桜の木が「桜桃(おうとう)」という品種だからです。
イチョウ(銀杏)の実を「銀杏(ぎんなん)」と呼ぶのと同じで、
木そのものと実をイコールで結びつけて同じ字を当てて読んでいます。
なので「桜桃」と書くとさくらんぼのことを指すこともありますし、
さくらんぼの実をつける果樹のことを指すこともあります。
「桃」はどこから?
ところで、気になるのが「桜」はともかく「桃」はどこからきたかってことですよね。
さくらんぼを見てみると、割れ目があるのでなんとなく桃に見えなくもないし
桃のようなきれいなピンク色をしているし……と思いますが、
桜桃の「桃」の字はフルーツの桃からきていないんです!
この「桃」とはなんと、「フルーツ全般」の意味なんです。
毛皮を着て洞窟で暮らしていたような古い古い時代では果実全般のことを「桃(とう)」と呼んでいました。
リンゴも「桃」ですし、柿も梨もブドウもみんな「桃」です。(その頃にこの果物はありませんが……)
そのへんの樹木のよくわからない実も全部「桃」と呼んでいたんです。
なので、桜の「桃(果実)」ということで、さくらんぼのことを「桜桃」とするようになったのだそうです。
この話の驚くべきことは、こう名付けられた時期が100年とか200年とかそれくらいの最近ではないことです。
なんと、1000年前の平安時代にはすでに「さくらんぼ」の存在はあったんです!
1000年以上もさくらんぼがあったなんて驚きですね。
さくらんぼとチェリーの違いは?
さくらんぼもチェリーも同じものですが、商品の原材料表示のところを見てみると何故か呼び分けされていますよね。
佐藤錦のようなピンク色のものを「さくらんぼ」と呼んで、アメリカンチェリーを「チェリー」と呼び分けているのかと思いきや、
フルーツ缶詰に入っているシロップ漬けのピンクのさくらんぼは「チェリー」ですよね。
この呼び分けはどういう基準なのかというと、
生のものか、加工されているかで決められています。
なので、生で食べられる佐藤錦やアメリカンチェリーは「さくらんぼ」で、
フルーツ缶詰などの加工されているものは「チェリー」なのだそうです。
まとめ:さくらんぼの漢字は…
- さくらんぼの由来は「桜ん坊」(桜の果実)から
- さくらんぼは漢字で「桜桃」と書く。さくらんぼの果樹が「おうとう」なのが由来
- 「桃」はモモではなく「とう」。古代では果実全般のことを「とう」と呼んでいた