なんとなくオリエンタルな雰囲気のするライチですが、実はこれ、中国が原産の食べ物です。
リンゴが「林檎」、メロンが「甜瓜」、さくらんぼが「桜桃」と書くように、
ライチにも漢字があります。
どうやって書くのか? そしてその由来とは?
原産である中国ではどう読むのかも合わせて紹介します!
ライチは漢字で書くと「茘枝」!
ライチは漢字で書くと「茘枝」と書きます。
ただ、「らいち」と打ち込んで変換キーを叩いてみても、「茘枝」の漢字は出てきません。
(優秀な漢字変換能力を持つ入力ソフトなら出してくれますが……)
この漢字をどうやって出すのかというと、
ライチの和名である「レイシ」と入力することで「茘枝」と漢字が出てくれます。
ライチ? レイシ? 本当はどっち?
実は、ライチという呼び方はは中国語での読み方がなまったものです。
本来ライチは「レイシ」と呼ぶのが一般的でした。
「じゃあレイシのままでいいじゃん! なんでライチという呼び方に変わったの?」
と疑問ですよね。
その答えは、沖縄から本州へライチと同名の「レイシ」という植物が入ってきたことにあります。
2つの「レイシ」の混同を避けるために果物の方を「ライチ」、
沖縄から入ってきた「レイシ」を「ツルレイシ(蔓茘枝)」と呼ぶことにしました。
このツルレイシ、いったい何かというと、ゴーヤのことです。
ニガウリ、ゴーヤと呼ばれるアレの和名は実はツルレイシというのです。
ツルレイシとレイシじゃ紛らわしいですよね。
だから一般的には沖縄の呼び方である「ゴーヤ」、
中国語での読み方に由来する「ライチ」となったわけです。
中国語ではなんと書くの?
同じ漢字圏である中国や台湾などではどう書くのでしょう。
やっぱり中国が原産ですから、「茘枝」と書きます。
中国での漢字表記が日本にそのまま入ってきたから当たり前ですね。
ちなみに読みの方はというと、「リーツゥー」になり、
台湾の方などでは「ライチー」になります。
その漢字はどこから来たの?
茘枝の「茘」の字がどこから来たのか、由来が気になりますよね。
桜の果実という意味の「桜桃(さくらんぼ)」のように、何か由来があるのか、
それとも「夜露死苦」的に、発音に漢字をあてただけの当て字なのか……。
これは原産地に由来します。
ライチの原産地は中国の華南地方、昔は西方の異民族が住んでいる土地にあります。
その異民族が住んでいる国の名前が「大茘」といい、
大茘から来た枝植物なので「大茘の枝」、略して「茘枝」になりました。
ライチを食べる時は気をつけて!
ライチは美味しく、栄養も満点の果物です。
中国の古い歌詠みには、「1日に何百個もライチを食べる」といったような言葉があるくらいです。
1つの枝からけっこうな量が取れるので、
地元では1つ10円とかものすごく安い値段で売られていたりします。
そんなライチですが、
中国からの輸入物は残留農薬の問題で輸入が止められることもあったり、
インドで貧困層の子供が未熟なライチを食べたことで低血糖を起こして脳炎になり死亡するという
恐ろしい話題があったりします。
過度な残留農薬は輸入の段階で止められるので、家庭に流れることはめったにありませんが、
未熟なライチは家庭に流れてくることもあります。
未熟なライチはヒポグリシンという、体内で糖分を作るはたらきを阻害する成分が含まれています。
大人であれば問題のない量なのですが、子供にはかなりのダメージになります。
「お腹がすいて頭がフラフラする」という状態、ありますよね。あれがもっとひどくなった状態になるわけです。
体を動かすためのエネルギーが不足してしまい、臓器の動きを維持することもできなくなり、
それが原因で死んでしまうんです。怖いですよね。
なので、残留農薬の心配もありますし、子供にはできれば与えない方がいい果物といえます。
まとめ
- ライチは漢字で書くと「茘枝」
- 「ライチ」でななく「レイシ」で変換キーを押すと漢字が出る
- ツルレイシ(ゴーヤの和名)との混同を避けるために「ライチ」と呼ぶようになった
- 中国語でも「茘枝」。原産地である大茘に由来
- 残留農薬の問題、未熟なライチを食べて死亡するという恐ろしい出来事もあるので注意!