私が予備校生だった頃のお話です。
日本史の授業中に有名講師が、突然都市伝説のような話をしはじめました。
「某チャリティ番組は募金で1円玉を回収するシステムなんだよ!」
その講師の話は
「1円玉は作れば作るだけ赤字になるので、家に使わずにしまわれている1円玉を回収するために番組をやっている」
といった内容でした。
そのような話がホントかウソかは別にして、
「1円玉を作るのに、1円以上かかる」
という噂話は、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
「ホントに1円を作るのにお金がたくさんかかるのなら、いったい原価はいくらかかってるの?」
今回は、1円玉の原価についてのトリビアをご紹介します。
1円玉の原価は本当に高いの?
わたしはぬけているところがあるので、
コンビニでお釣りをだすときに、うっかり小銭を出すのを忘れてしまいます。
お財布が膨らんできちゃったなぁと思うと、たいていの原因は大量の1円玉。
1円玉って、消費税がはじまってから
お釣りでもらうことが多くなってきましたよね。
大量の1円玉はまとめてATMで口座に入金しているのですが、
ATMによっては、硬貨を入れる投入口に貯金箱みたいな穴があいていて、
かなり面倒くさいんですよ! 窓口は混雑しているから、これまた面倒で……。
そんなわけで、私の手元には大量の1円玉がビニール袋に入れられて、
ATMへの入金を待っている状態です。
そんな方、結構多いんじゃないでしょうか?
もし、こんなに出回っている1円玉の原価が高かったら……。
「1円玉を作れば作るだけ、国が損をする」
ってことになりますよね。
ホントのところはどうなのかって、気になって仕方がないので
調べてみることにしました。
1円玉はアルミニウムという金属でできています。
「そんなこと言われなくても知っているよ!」
って怒られてしまいそうですが、どうやら、アルミに原価が高いと言われている原因がありそうです。
アルミの原料はボーキサイトという鉱石なのですが、
それをアルミにするのにすごく電気が必要なんです。
別名『電気の缶詰』と呼ばれているほどかかるみたいです。
「アルミを作る原料 + 電気代 + 製造コスト + 1円玉を作るコスト」
がかかるので、
「絶対1円以下じゃつくれないじゃん!」
って私は思っちゃいました。
さて、ホントのところ1円玉の原価っていくらぐらいするのでしょうか。
1円玉は、作れば作るだけ赤字に!
- お金に対する信用を落とさないため
- 偽造を防止するため
という理由で、公式に1円玉の原価は公表されていません。
ですので、正確な値段はわかりません。
では、全くわからないかというとそうでもありません。
公表されている材料の調達価格や、
加工するための製造コストから割り出すことができるからです。
それを元に推定される、現在の原価は
なんと!
「約3.5円」
原材料費の価格の下落を考えても
「約3円」
もするんです。
つまり、作れば作るだけ
「2円以上赤字」
になっているってことなんですね。
金属の値段があがれば、もちろん原価もあがってきます。
たとえば、私の好きな「シルバーアクセサリー」なんかも、
以前に比べて高くなっています。
「もっと早く買っておけばよかったのに……」
なんておもっています。
将来、1円玉の原価が
今よりも、もっと高くなることもあるかもしれません。
余談になりますが、アクセサリーなどを相場よりも安く買い取るという
「押し売り」ならぬ「押し買い」ってありますよね。
私の家にもしょっちゅう業者から電話がかかってきますよ。
以前に比べて金属の値段が上がってきているので、
自宅に訪問して、相場よりも安く買い叩いていくのです。
みなさんもお気をつけ下さいね。
まとめ
- 現在の1円玉の原価は「約3.5円」
- 1円玉は「つくればつくるほど赤字」になっている!
- 原材料の値段が下がったことを、考えても「約3 円」はかかってしまう。
- 原材料価格の上昇によっては、原価もっと上がることもある。
財布が膨れる原因の、邪魔者だった1円玉が、
原価を知ってからは、なんだか少し愛おしく感じてきちゃいました!
現金なやつですね、私って。
お子さんが貯金箱に1円玉を入れているときに、
「この1円玉は、3円以上かかってつくられているんだよ!」
……なんてお話をすると、会話が広がるかもしれませんね!