冬といえば鍋、冬場の鍋といえばおでん。
おでんに欠かせないものといえば大根ですが、
大根を買って切ったら断面が黒や紫に変色していたということはありませんか?
しかも変色には何パターンかあって、
全体的に黒かったり、真ん中だけが黒かったり、黒い筋が入っていたり……。
これらの変色は腐ってるの? と心配になりますよね。
そこで、これらの変色の原因について調べてみました!
大根が黒くなる3つの主な理由
理由その1。全体が黒くなるのは「水晶現象」と呼ばれる現象!
大根の断面全体が黒くなって、大根本来の部分の白い部分がポツポツと斑点のようになっている場合、
これは「水晶現象」と呼ばれる症状のひとつです。
これは冷凍→解凍を繰り返すなどで大根の保存環境が悪かったせいで、
大根の水分が多い部分がスポンジのようにスカスカになってしまい、透けてしまったものです。
皮や果肉の影が透けて黒く見えるだけで、腐っていたりカビが生えているわけではありません。
問題なく食べられますが、食感がスカスカとしていて生食にはあまり向きません。
逆に大根の水分が出やすく、味がしみやすいのでおでんや煮込み料理には向いています。
お店によっては煮物用の訳アリ品として安く売っているところもありますよ!
理由その2。断面の真ん中だけが黒いのは「青あざ症」!
青首大根の首が青いところを切ってみるとたまにみられるものです。
中心だけ真っ黒に黒ずんでいて見た時に「うわっ」って驚いてしまいます。
これは「青あざ症」と呼ばれるもので、
大根の成長過程で土に栄養が足りなかったり気温が高温すぎることで
ホウ素不足になり、中央に「す」が入ってしまって、
この「す」の部分にアントシアニンなどの色素が集まって黒くなります。
こちらもカビが生えたり腐敗しているわけではないので、食べられます。
黒い部分は少し苦味を感じるなど、味がちょっと変わっていますので、
気になるなら黒い部分だけ切り落として食べましょう!
理由その3。黒い筋が集中線のように中央に集まっているのは黒点病!
集中線のように、黒い筋が中央に集まっているのは「ダイコンバーティシリウム黒点病」という症状です。
「病」とついているので不安になりますが、病気で悪くなっているのではありません。
土がカビていたせいで起きる症状のひとつで、このような黒い筋が浮かびます。
大根自体がカビているわけではないので、この黒い筋が浮かんでいる大根でもちゃんと食べられます。
この3つに当てはまらない場合は……腐っているかも?
この3つに当てはまらない場合の黒ずみはカビである可能性が高いです。
表面を指で押してみた時にぶよぶよしたり、汁が出ていたり、
異臭がしたり、ヌメヌメしていたりする場合は腐っています。
こうなったら捨てましょう。
黒くなっていない大根を見極めるには?
切った時に黒くなっていると「うわっ」ってなりますし、
できれば買う段階で見極めたいですよね。
しかしこれらの症状は大根の中で起きているので、外から見ただけではわかりません。
見極める方法はなく、こればかりは「実際に切ってみないとわからない」ということになります。
どうしても買う段階で避けたいなら、
2分の1カットや3分の1カットなど、すでに切ってある大根を買うのがいいでしょう。
水晶現象は家庭での保存状態が悪くても発生します。
冷凍→解凍を繰り返すような急激な温度変化にさらされると、
買った時は大丈夫でも水晶現象を起こしてしまうので、保存する時には温度変化に気をつけてください。
まとめ:大根が黒くなる理由は…
- 大根の黒い変色には3つのパターンがある
- 全体的に黒いのは「水晶現象」、中央だけ黒いのは「青あざ症」、黒い筋が入っているのは「黒点病」
- どれもカビではないので問題なく食べられる
- これ以外の変色やブヨつき、異臭は腐っている可能性が高いので捨てること
- 買う段階で見極めることは難しいので、心配ならカット済のものを買う