ほとんど瞳を見ることのできない新生児期。
やっと開いた赤ちゃんの瞳に、ママはどんな風に見えているのでしょうか。
しかし残念ながら、赤ちゃんの目にママは映っていません。
なぜなら新生児期の赤ちゃんはほとんど視力がなく、光くらいしか判別できないからです。
ママのことは声や感触、匂いくらいでしか判断できないのではないでしょうか。
赤ちゃんの視力は超ド近眼というほど近くしか見えていません。
その見える範囲はおよそ30~50cm先までと言われています。
抱っこしてもらって近づいて顔がぼんやりわかる程度、
それも細かいディテールなどはわからず、目と口が分かるくらいと言われています。
「赤い色から見えるようになるから赤ちゃん」という説もありますが、
この頃はまだ色の判別も難しく、モノクロに見えてます。
黒と白のコントラストの強いもの、人間の身体なら顔の中の目、おっぱいなどは分かるのだそう。
これこそ、生存をかけて進化した人間の原始的な能力と言えそうです。
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赤ちゃんが大人のように見えるのは3歳頃から
モノクロで見えていた新生児期を過ぎて3~4ヶ月頃に動くものを目で追う
「追視(ついし)」ができるようになってきます。
自治体で実施する3~4ヶ月健診の際には、
赤ちゃんに赤いボールを目で追ってもらう「追視」の検査があります。
赤などのはっきりした色のものは特に判別しやすいので、
赤ちゃん用のおもちゃに原色のカラフルなものが多いのも納得できますね。
成長とともに眼球周りの筋肉が発達してくると、視力も徐々に発達していきます。
6ヶ月ごろは赤ちゃん自身も身体と一緒に好奇心や探求心が育つ時期です。
興味のあるものに手を伸ばしてみたり、少し先の目標に向かって移動したりとそんな場面も出てきますので、かなり視力も発達しています。
1歳ころまでには目で見て判断して行動する、といった「協調運動」ができるようになります。
協調運動ができると、自立、歩行の際に必要な「危険予知」も備わり安全を確保できます。
視力はまだ完全とは言えませんが、相手の顔とか体験と場所を関連させて覚えたりなどの学習もできるようになります。
3歳までには1.0程度の視力が備わり、大人とほぼ同じくらいに見えるようになります。
赤ちゃんの視力はいつから測れる?
赤ちゃんの視力検査は3歳児健診の際に実施される自治体が多いようです。
大人と同じように「ランドルト環」といわれる「C」のマークの方向を答える検査で行います。
この検査では「弱視」「斜視」「遠視」「近視」などが分かります。
もしもこの検査で異常が見つかった場合は、眼科医に詳しく検査してもらい、
適切な治療を受けることになります。
一般的な治療法としては、眼鏡による視力の矯正です。
6歳くらいまでに成長しながら視力が発達するので、
眼鏡でピントを調節して矯正することで徐々に改善していきます。
しかし、3歳以前までに赤ちゃんの目に関して様子がおかしいと思ったら
眼科医に相談して詳しい検査を受けてみましょう。
赤ちゃんの視力検査は難しいのですが、実施してくれる病院もあります。
その際には赤ちゃんの見え方の詳しい様子が分かる動画や写真があると
説明しやすく伝えやすいでしょう。
赤ちゃんにこんな様子があったら気を付けてみよう
- 正面で対象物を見ない(横目で見る)
- 片目を隠すと嫌がる
- 黒目が光る、白っぽい
- 黒目が両目同じ方向を向かない
- 目を細める、かなり近づいて物を見る
見えにくい様子や転倒や衝突が多い場合には眼科医に相談してみましょう。
まとめ:赤ちゃんの視力は遊びの中で育つ
赤ちゃんは生まれてから6歳くらいまでの期間で視力が向上していきます。
弱視治療はこの成長期を利用して行われます。
視力は遊びの中で視界に刺激を与えていくとさらに鍛えられます。
視力を鍛えるにはこんなことに注意してみましょう。
- スマホやテレビなどで1ヶ所を凝視させない。
- 外遊びの機会を多く持ち、視野を広げる。
- 睡眠を十分に確保する。
- 視力の弱い1歳未満児ははっきりした原色のアイテムで脳を刺激する。
- できる範囲でいいので母乳育児を実施する。
デジタルアイテムの普及で目の悪い人が大人子供を問わず増えています。
赤ちゃんの視力は大人になっても影響は残ります。
大切に守ってあげてくださいね。