豆知識

「龍」と「竜」の違いはなに?急に聞かれたら答えられる?

ゲームやアニメなどではよく登場する生き物である龍と竜。
どちらも「ドラゴン」を指す言葉として使われますが、この2つの漢字の意味の違いを知っていますか?

日本語は表意文字で、字によって意味に違いがあります。
ということはこの2つも何かしら意味が違っているはずなのですが、
あなたはその区別がつけられますか?

「え、そんなの常識だろ?」という人も、
「知らない!」という人も
一緒に確認してみましょう。

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「龍」と「竜」 字の違いは?

漢字辞典で調べてみると、
「竜」は「龍」の省略体と書かれています。
省略体というのは、要するに難しい漢字だから簡単に書き下そうという字です。
そのため、「竜」は新字体、「龍」は旧字体という扱いになっています。

現在では、「竜」は常用漢字、「龍」は非常用漢字として指定されています。

「龍」と「竜」東洋と西洋で変わった?

 

元々、「龍」という漢字があり、それから派生して「竜」という漢字が生まれました。
その時に入ってきたのが、西洋のドラゴンの概念です。

昔から「龍」といえば、日本昔ばなしのオープニングに出てくるような長い蛇のような、中国から伝わってきた生き物のことでした。
しかし西洋からドラゴンというものが入ってきたため、今までの「龍」という概念でくくれなくなってしまいました。
そのため生まれたのが「竜」という漢字です。この字に西洋のドラゴンという概念を当てはめることで、「龍」と「竜」という2つの概念が生まれました。

実際の成り立ちはともかくとして、
一般的に創作の世界では「龍」といえば東洋のドラゴンを、「竜」といえば西洋のドラゴンを指します。

東洋のドラゴン「龍」

東洋龍とも呼ばれる、長い蛇のような形をしたドラゴンは中国から伝わってきたものです。
十二支にも辰年として表されているのはこちらです。
さまざまな動物の部位を融合した見た目である「龍」は神聖なもの、尊いものとして扱われてきました。

ちなみに、龍の伝説がある地域は川や洪水と縁が深いところなのは知っていましたか?
洪水を水の神の仕業として神格化して生まれたのが「龍」という存在です。
川が氾濫して流れ出る様子を1匹の長い龍が暴れているように見立てたわけですね。
あのヤマタノオロチも山から海へハの字に分岐して流れる洪水をたとえたものであるんですよ。

西洋のドラゴン「竜」

西洋のドラゴンは東洋のドラゴンとは逆で、邪悪なものとして扱われてきました。
ヨーロッパの文化でのドラゴンはトカゲに似た姿をしています。創世記で、アダムとイブをそそのかした存在が蛇であったことから、爬虫類全般に悪魔の使いのイメージがつきました。
原始的な西洋のドラゴンは蛇に悪魔の翼が生えたものだったのです。
悪魔の翼がどうしてついたのかというと、これはヨーロッパが一神教であり、神様以外のものはすべて邪悪なもの、悪魔として認定してきたからです。

西洋のドラゴンは「邪悪であり、倒すべきもの」という悪役として描かれてきました。

各地のドラゴン討伐伝説のモデルは、異種族や異教徒とされています。
「ドラゴンが財宝を守っている」「ドラゴンを倒すと英雄として讃えられる」というのも、
他の文化圏の都市を「あそこはドラゴンを崇めている」と悪魔認定して討伐したことが由来となっています。
ちょっと黒い話ですよね。

まとめ:竜と龍の違いはズバリ…

  • 「龍」の省略体が「竜」
  • 元々「龍」が先にあり、「竜」という漢字が生まれた
  • 創作の世界では、「龍」といえば東洋、「竜」といえば西洋のドラゴンを指す
  • 東洋のドラゴンは神聖な神として扱われてきた
  • 西洋のドラゴンは邪悪なものとして扱われてきた

さて、これでもう「龍」と「竜」の区別はつけられるようになりましたか?
とっくに知っていたという人も、復習になったのではないでしょうか?

 

この記事を書いた人
 ライター:ネコパン
心理学科卒。大学では「箱庭療法」「HTPテスト」など、臨床心理学系を中心にやっていました。 シミュレーションゲームが大好きですが、「これって箱庭療法ってやつでは…?」と心の奥底の無意識に気付いてしまったり。 色々あって現在は専業主婦をしながら海外生活をしています。

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