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黄疸って何だろう?
黄疸(おうだん)を知っていますか?
出生直後の新生児の肌や白目部分が黄色くなる症状です。
新生児の80%~90%、つまりほとんどの赤ちゃんに黄疸の症状が現れます。
黄疸症状は病気などではなくごく生理的な現象として起きるものです。
新生児黄疸の原因や気を付けることについて調べてみました。
どうして黄疸は出るのか
肌や白目部分が黄色くなる黄疸は、血液中のビリルビンという成分が原因です。
このビリルビン、元はヘモグロビンという成分でした。
赤ちゃんは生まれる際に肺呼吸に備えて体内の赤血球つまりヘモグロビンを造り替えます。
造り替えのために胎児のときに使っていた赤血球は破壊され、
破壊された赤血球から黄色のビリルビンが生成されます。
ビリルビンは肝臓に送られ胆汁になりますが、
赤ちゃんの未発達の肝臓では処理しきれず体内に残ります。
この体内に残った黄色いビリルビンのために肌や白目が黄色くなるのです。
新生児黄疸の治療法
新生児黄疸は生後2日目くらいから出始め、4日目から6日目にかけて肌の黄みが強くなります。
基本的な治療としては特別なことはせず、数日かけてビリルビンが排泄されるのを待つくらいです。
新生児黄疸の症状がなくなるのは個人差もありますが生後2週間くらいといわれています。
しかし血液中のビリルビンの値が高い一部の赤ちゃんは光線治療を行います。
光線治療には青や緑色の光の紫外線ライトを赤ちゃんに当てます。
ビリルビンを水に溶けやすく体外に排出しやすい状態にするのが目的です。
保育器の中で目を覆い隠されおむつだけの状態で光線治療しているわが子に
心が痛むかもしれませんが、治療の一環なので仕方ないことと考えましょう。
母乳黄疸についても知っておこう
母乳育児を考えているママなら母乳黄疸についてもぜひ知っておきましょう。
母乳に含まれるホルモンが肝臓の働きを弱めてしまうために
ビリルビンの排泄が遅れて黄疸症状が長引いてしまうのが母乳黄疸です。
母乳黄疸は症状がなくなるのが生後1ヶ月位と、
新生児黄疸が落ち着いてもなお症状が続きます。
但し、1ヶ月以上黄疸の症状が続く場合には母乳黄疸以外の黄疸も考えられるため、
産科や小児科の先生に相談しましょう。
場合によっては母乳を中断したりする場合もありますので、指示に従うようにしましょう。
レアケースだけど気を付けたい生理的疸以外の黄疸
胆道閉鎖症による閉塞黄疸
先天的な理由で肝臓と十二指腸を繋ぐ
胆道という器官が塞がってしまっている場合に起こります。
胆道が塞がっていると胆汁が分泌されなくなり、
ビリルビンも排泄されなくなるので黄疸症状が続きます。
この胆道閉鎖症は一刻も早い手術が必要です。
早期発見のためには便の色に注意を払いましょう。
通常なら黄色い便が、胆汁が分泌されないために白っぽくなります。
厚生労働省で公開している「胆道閉鎖症早期発見のための便色カード活用マニュアル」
を参考に赤ちゃんの便をチェックしましょう。
核黄疸
ビリルビンが何らかの理由で排泄されず体内に残り、
脳に侵入して神経を破壊してしまう病気です。
発症後すぐに筋力が低下し、おっぱいを吸う力がなくなります。
発熱や痙攣症状や手足の突っ張り、こわばりなどが出ていれば進行しています。
気づいたらすぐに病院で診察を受けましょう。
ただの黄疸と放置すると知的障害が残ったり脳性まひを起こす恐れがあります。
まとめ
- 新生児黄疸は新生児のほとんどに起きる生理的現象
- 黄疸は体内に残った血液中のビリルビンという成分のために起こる
- 母乳黄疸も合わせると黄疸は生後1ヶ月程度続く
- 生後1ヶ月以上続く黄疸には注意が必要
新生児黄疸は時期が来れば症状は見られなくなります。
過度の心配はいりませんが、
便の色や赤ちゃんの様子には日頃より注意しましょう。