夏の名物である蚊。
夏だけでなく春先から活動し始めます。もう蚊に刺された人もいるのでは?
そんな嫌われ者の蚊ですが、実は血を吸うのはメスだけだというのを知っていましたか?
じゃぁオスはどうしているのかというと……。
続きは順番に解説していきます!
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血を吸うのはメスだけ
冒頭でも軽く触れましたが、血を吸うのはメスだけです。
メスは卵を生むために必要なタンパク質を得るために血を吸おうとします。
血を吸う対象は人間に限らず、イヌやネコ、鳥などの哺乳類や鳥類からも吸血します。
種類によってはさらに爬虫類や両生類などからも吸血します。
なので、産卵しないオスは血を吸う必要がないんです。
じゃぁオスは何を食べて生きているのかと言うと、花の蜜や樹液などです。
実はメスも普段はオスと同じように花の蜜や樹液を吸っています。産卵する時にだけ栄養素を求めて血を吸います。メスだからといって血だけ吸っているわけではないんですね。
オスメスの判別方法は?
オスメスの判別方法は口周りの器官で区別ができます。
オスは口の周りに鳥の羽毛のようにふさふさとした毛が生えています。
また、メスは卵を体内で育てて生むため、お腹の部分がオスに比べて発達しています。
卵で膨らんで、卵を生んでしぼんで……という変化に耐えるため、オスに比べてお腹が頑丈にできています。
と、このような区別の方法がありますが、ぱっと見ただけではわかりません。
止まっているところをまじまじと見なければわかりませんし、
「この蚊はオスかもしれないし……」
と放っておいたら実はメスで、刺されてしまっては本末転倒です。
オスだろうがメスだろうがあの「ぷぅ~ん」という不快な羽音は共通ですし
やっぱり蚊は見つけ次第倒してしまうのが気持ち的にはラクですね。
似てるけど違う「ガガンボ」「ユスリカ」
蚊と似た姿をしていますが、蚊とは違う虫がいます。
「ガガンボ」と「ユスリカ」です。
どちらも蚊(のメス)と違って、人を刺すことはありません。
樹液や花の蜜を吸ってつつましく暮らしている虫です。
ガガンボは巨大版蚊のような見た目をしているので少し怖いかもしれませんが
血を吸うことはなく、完全な冤罪です。
まぁ羽音はするのでその点では擁護できないのですが……。
蚊をすべてオスに?
「蚊がデング熱を媒介する」とこのところ言われるように、蚊は吸血によって伝染病を媒介します。
そのため、防疫の観点から蚊に対する研究は結構活発です。
蚊による伝染病を防ぐため、蚊を無害化する方法が研究されてきました。
これまで行われてきた対策は
「生殖能力のない不妊のオスの蚊を放ち、卵を作らせないようにする」というものでした。
卵ができなければ産卵のために血を吸う必要がなくなるので、蚊の吸血による伝染病の媒介を防ぐことができます。
しかし、この方法をするためには大量の蚊を飼育し、不妊のオスの蚊を探さなければならないという非効率的な準備が必要でした。
大量の蚊を飼う……想像するだけでイヤな気分になりますね……。
そこで編み出されたのが、蚊の遺伝子を操作するという方法です。
蚊の性別を決める遺伝子をいじり、不妊のオスの蚊を作り出すというものです。
こうすることで大量の蚊の中から不妊のオスの蚊を探す必要がなくなり、コストが大きく下がります。
まだまだ遺伝子操作自体のコストが高く、コストに見合うほどの成果はあげられませんが
もし実用化できるレベルになれば蚊による伝染病媒介の強力な対抗策になれそうですね。
まとめ
- 血を吸うのはメスだけ
- 卵を生むための栄養をとるために血を吸う
- オスは血を吸わない
- オスや普段のメスは樹液や花の蜜を吸っている
- 口の周りの器官や腹の発達でオスメスの判別がつく
- 「ガガンボ」「ユスリカ」は似ているけど違う虫
- ガガンボやユスリカは血を吸わない
- 蚊の性別をコントロールしてメスの蚊を減らす研究が行われている