一言に心理学といっても、その種類はたくさんあることを知っていましたか？
「臨床心理学」「犯罪心理学」「行動心理学」などその分類は多岐にわたります。
では、心理学にはどんなものがあって、その内容はどんなものなのでしょう。
心理学科出身の私が内容をひとつひとつ解説していきますね！
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心理学は大きく分けて２種類。「基礎心理学」と「応用心理学」
まず心理学は大きく２種類に分かれ、「基礎心理学」と「応用心理学」の２つになります。
基礎心理学はその通り、基礎的な心理学です。
「観察」「実験」「分析」の3つの過程を経て「心とはなにか」を研究していきます。
応用心理学とは、基礎心理学をもとに1つの物事にフォーカスしたものです。
応用心理学はそのジャンルにフォーカスしているので、
臨床心理学を専門にしている人が犯罪者の心の動きについてわかることは少ないでしょう。
日本料理の板前さんがフランス料理のフルコースを作れないのと同じです。
基礎心理学に分類される９種類
では、基礎心理学に分類されるものにはどんなものがあるのでしょう？
認知心理学
五感や記憶、思考といった物事が主で、
「リンゴといわれて赤い果実を思い浮かべるのはなんで？」
といったようなことを研究していきます。
学習心理学
人や動物が経験を通して学習し、それによって行動を変えていく過程を研究していきます。
ちょっと難しい説明でしたが、要するに
「怒られたからこれはやらないようにしよう」
「褒められたいからこれをしよう！」
という心の動きということです。
行動心理学
人が何かしらの行動をした時の心理を研究するもの。
「足を組んでいる時はこういう深層心理がある」
「視線の動きによって深層心理がわかる」
というのが行動心理学に分類されます。
知覚心理学
五感など、人間が持つ知覚を研究するものです。
認知心理学と似ているジャンルですので、まとめられることもあります。
神経心理学
脳と心との関係を研究します。
主に脳を損傷した患者さんに対して行うもので、古くはロボトミー手術なんかがここに分類されます。
生理心理学
「怒っている時は脳のどこが活動しているのか？」
「楽しいと感じている時は脳のどこが活動しているのか？」
といったことを脳波や心電図などを用いて研究します。
発達心理学
赤ちゃんから老人まで、人が成長、老化していく過程でどのような心の変化が起きるかを研究していきます。
「赤ちゃんのイヤイヤ期はどうして起こる？」
「思春期や反抗期が怒るのはどうして？」
といったことが発達心理学に分類されます。
人格心理学
「怒りやすい人、泣き虫さん…人の性格ってどうして千差万別なの？」
「同じ映画を見たのに感想が違うのはどうして？」
といった性格や人格といったパーソナリティについて研究します。
社会心理学
「悪いことだとわかっていたのですが、上司に命令されたので仕方なく…」
と、犯罪を犯してしまう人がいます。
悪いことだとわかっているなら止めればいいのに、上司の命令に従ってしまったのはどうして？
といったように、社会生活における個人の心の作用について研究していきます。
応用心理学ってなにがあるの？
応用心理学は、上でも述べた通り、基礎心理学をもとに1つのジャンルにフォーカスしたものです。
鬱や心の病気に対処していく「臨床心理学」
人が犯罪を犯してしまう心理について研究する「犯罪心理学」などが有名でしょうか。
産業や教育といった分野などにも心理学を応用してより発達した産業や教育を生み出そうという「産業心理学」「教育心理学」といったものもあります。
災害時の被災者へのメンタルケアに特化した分野は「災害心理学」として1ジャンルを築いています。
他にも、スポーツに関連する「スポーツ心理学」なんてユニークなものもありますよ。
まとめ たくさんある心理学の種類！
ちょっと講義っぽくなってしまいましたが、以上が主だった分野です。
他にも言葉に関する「言語心理学」など細かな心理学がありますよ。
私も今、言語心理学を応用して、
「この言葉遣いで読者にわかりやすいかな？」
「どういった印象を与えるかな？」
といったことを悩みながら書いています。
要するに推敲ということなのですが、
「その言葉を選んだメカニズムにはどういった心理があるのか」
ということを考え始めると……頭がこんがらがりそうですね！
ライター：ネコパン
心理学科卒。大学では「箱庭療法」「HTPテスト」など、臨床心理学系を中心にやっていました。 シミュレーションゲームが大好きですが、「これって箱庭療法ってやつでは…？」と心の奥底の無意識に気付いてしまったり。 色々あって現在は専業主婦をしながら海外生活をしています。