赤ちゃんの満腹中枢は生後3ヶ月ごろには完成する、
と一般的には言われていますが本当でしょうか。
育児書にはたいてい
「欲しがるだけ飲ませて」
と書いてあるので
「いらなくなったら飲まない」
という満腹感もありそうですが実際のところは
3ヶ月以降もいつまでもおっぱいを吸い続けたり
おっぱいや離乳食を食べ過ぎて吐き戻したり
とても赤ちゃんに満腹中枢があるとは思えません。
しかし新生児の頃からお腹が空くと泣いて知らせるので
「満腹中枢はなくても空腹感は感じる」
と考えたほうが正しいのではないでしょうか。
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おばあちゃんたちからの「ミルク足したら?」の真意
割とよく言われるのがおばあちゃん世代からの圧力
「母乳だけでは足りないんじゃないの?」
という言葉でミルクを足そうとする問題です。
この世代が赤ちゃんの満腹中枢についても広めたのではないでしょうか。
完全母乳のために努力しているママや母乳の出で悩んでいるママには
グサッとくる一言だったりします。
おばあちゃん世代は栄養状態から母乳育児が叶わず
ミルクでの子育てが推奨された時代です。
母乳が出ていても病院でミルクを足されたという経験を
している人が多いのでつい気軽に言ってしまうようです。
実際には赤ちゃんとママの身体のことを思って
老婆心で言ってくれていることのほうが多く、
「今頑張りすぎなくても先は長いから無理しないでね」
というメッセージが隠されていることがほとんどです。
あまり気にしないようにしましょう。
ずっとおっぱいを吸い続ける赤ちゃん
欲しがるだけ、の言葉を額面通りに受け取ると、
1時間でも2時間でもおっぱいを吸い続けるのが赤ちゃんです。
赤ちゃんには吸啜反射というものがあり、
口元にあるものはつい吸ってしまう反射があります。
もしも30分以上授乳しているのにおっぱいから離すと泣く場合は
おっぱいがうまく飲めていない可能性があります。
抱き方や授乳のやり方を確認してみましょう。
しっかり口を開けさせて乳首をくわえさせないと、十分に母乳が分泌されず、
乳頭にも傷が入ったりして授乳し続けることが難しくなってしまいます。
逆に吐き戻すことが多いならばたくさん飲めているので
吸い続けていても時間になったらおっぱいから離しましょう。
母乳でもミルクでも、20分までを授乳時間の目安とします。
頻回授乳で授乳疲れ
おっぱいは赤ちゃんにとって食料でもありおやつでもあり水分補給でもあります。
口寂しくてとか汗をかいて喉が渇いてとか
そんな時にもおっぱいは要求されます。
1時間おきに頻回授乳しているママの話もよく聞きます。
でも、母乳はママの血液から作られるものだから、そう都合よくいつでもあげられません。おっぱいの張りを感じない時に授乳すると遊び飲みの原因にもなります。
授乳間隔をあけるのは赤ちゃんのためというよりも、ママの体を休めるためでもあります。
おっぱいが張らないのは明らかにママのおっぱいが授乳疲れしているのです。
授乳間隔が1時間くらいでママ自身が対処できない時は、湯冷ましやミルクを少量足してあげるのもママの体調を優先させるための策です。
この時期に多い母乳トラブル
新生児期から生後3ヶ月までは母乳ママにとって苦難の時期です。
この時期のおっぱいのトラブルが原因で母乳育児を断念してしまうママの話もよく耳にします。
もしも現在母乳に関するトラブルを抱えているならば、
産院の助産師やおっぱい外来を訪ねてみてはいかがでしょうか。
実際に赤ちゃんの様子を見ながら母乳が足りているのかどうかや
マッサージや飲ませ方のアドバイスが貰えます。
授乳にはママや赤ちゃんの個性が本当によく現れます。
完全母乳にこだわるママや、最初からミルクを与えたいというママ、
保育園に預けたいから昼はミルクに切り替えて夜だけ母乳ママ、
ママの数だけ授乳スタイルがあるといってもいいでしょう。
産後のこれからの生活を見据えて授乳の仕方を考えていくのも大切です。
満腹感は本人にしか分からない
ママや周りの人たちは赤ちゃんを満腹にさせることばかり考えてしまいがちですが、
赤ちゃんはいつでも満腹になるほどおっぱいを飲みたいのでしょうか。
大人でも
「お腹は空いてるけどそんなに食べたくない」
「今日は調子がいいからたくさん食べるぞ」
など日によって食欲が変わる時があります。
赤ちゃんも同じではないでしょうか。
定期的な身体測定で成長曲線が下降することがなければ
満腹感にこだわる必要はありません。
逆に栄養がよすぎて肥満になることのほうが問題です。
1日当たりの体重増加量が50gを超えるようであれば
毎日の授乳量や回数について見直してみましょう。
車のガソリンのように満タンになれば泣くことはないと思うのは大人の都合です。
ストレスのないようにほどほどに頑張っていきましょう。